
Our Story
なぜ、ジビエの消費が進まないのか。どうしたら、捕獲された有害鳥獣がもっと資源として活用されるのか。私たちは、この問題を解決する1つのピースとなるために、活動を始めました。
例えば、有害鳥獣としての捕獲数が最も多く、その大半を占める鹿についてですが、令和4年、全国で捕獲された鹿の頭数は716,8000頭(環境省調べ)、そのうち、保健所の認可を受けた解体場で精肉された鹿の頭数は約15%に当たる108,892頭(野生鳥獣資源利用実態調査)、そして、私たちが口にできる食肉として精肉されたのは、さらにその一部となっています。
捕獲された有害鳥獣を、私たちの資源として、有難く、余すことなく頂くためには「もったいないから」だけでなく、消費者からの「美味しいから、健康にいいから食べたい」という需要の高まりが、必要と考えます。
全国では、ジビエの消費を促すために、ジビエフェアなど、消費者に触れる機会を増やす活動がされております。その中で、一度でもジビエを体験した方の印象は、「美味しい、また食べたい」など好印象が多い一方、まだまだジビエを体験したことがない方が多いことが現状です。
食べたことがない、食べたくない方のジビエに対する印象としては、
1)肉が固そう、臭そう
2)衛生的に不安がある
3)安全に食べられるかわからない
といったことが主にあげられています(長尾・廣政・井上、2023*)。
お肉の性質や、衛生的な点は、保健所の認可を持つ解体場で適切に処理することで、対処できます。しかし、安全に食べられるか、というところは、飼料から管理された家畜とことなり、人間が管理することが難しい領域です。
*長尾・廣政・井上(2023)「都市におけるジビエ消費の実態と消費意向に関する分析」フードシステム研究第 29 巻 4 号
そこで、その問題の解決策の1つとなるのが、「食中毒」の原因の1つである人畜共通感染症のチェックです。
最も捕獲量が多い鹿肉については、懸念される人畜共通感染症は、E型肝炎ウィルスです(厚労省等調べ)。そして、E型肝炎ウィルスはPCR検査によって、検出することができます。
天然の素材であり、コントロールできない食中毒の原因を、感染症チェックによって取りぞくことで、消費者の安全性への不安を一つでも減らし、ジビエの消費を拡大してほしいという思いのもと、私たちは活動をしています。
Our Mission
食の安全を守り、有害鳥獣を有効活用
検査による感染症チェックをすることで、ジビエを「安心」して食べてもらえる食材として、消費の拡大に貢献すること。ジビエに対する食材としての不安を取り除くことで、これまで廃棄されていた有害鳥獣がより有効に活用されるようになること。
有害鳥獣の感染状況の把握
野生動物の感染状況を広く、また、時系列的に調査することで、今まで断片的にしか調査が進んでいない感染状況をより詳細に把握すること。これにより、感染ルートの解明など保健衛生分野への貢献をすること。
なお、私たちは、国立感染症研究所の研究室と共同研究を進めております。
検査ご依頼主様のご了解を得た場合、E型肝炎ウィルス陽性と判断した検体については、
上記研究所にて、ウィルスの遺伝子解析を行っております。
Have Any Questions?
ご質問・お問い合わせはこちらから。